当園はモンテッソーリ教育を取り入れており、それに準じた形で室内活動を進めています。一言でいうと、子どもを空っぽな箱として捉え、知識を入れていくのが教育と考えるのではなく、子どもは自らを発展させていく力がある存在と捉え、それを信じて環境を構成し、そのような大人の関わりをしていくことに特徴があります。
特に大事にされているのが敏感期(脳科学的には臨界期とも言われます)という、その成長を欲する瞬間を逃さないことと、自己選択の原理です。
簡単な事例で言いますと、例えば当園では異年齢クラスを構成しており、ひらがなを学べる教具が一年中同じ場所にあり、興味を持った子が何歳だろうともいつでも取り組めるようになっています。一方で同年齢クラスで【年中児の6月からひらがなを教える】というプログラム化された一斉教育(日本ではスタンダードな教育方法)であると、年中の6月だともう遅い子もいたり、まだまだ興味がなく、早すぎる子もおり、逆にいうとバッチリそのタイミング!という子の方が少ないかもしれません。
その子がやりたいときにやれる、つまり、敏感期を逃さない教育方法がここにはあります。「子どものやりたい!」は「成長したい!」と同義です。成長を保障される環境は、子どもの存在を100%認められる環境でもあると考えます。
また、子どもの選択というものも大事にされます。つまり、【大人に従う良い子】ではなく、【自ら考え選択、創造できる人間】を子ども像として目指しています。ここには現在よく言われるような、子どもの権利の考え方も内在しています。
モンテッソーリ教育というと、最近では藤井想太やMicrosoftの創始者ビル・ゲイツ、amazonの創始者ジェフ・ベゾス、googleの創始者ラリー・ペイジとセルゲイ・ブリンなどがモンテッソーリ教育受けて育ったということで非常に有名です。もちろんモンテッソーリ教育を受けた全員がビル・ゲイツになれるかといったら難しいとは思いますが、このような創造するマインドやそういった存在が受け入れられるということは、モンテッソーリ教育を受けたことは少なからず影響があったかもしれません。つまりモンテッソーリ教育は知的教育ではなく、その子の存在を全肯定し、その子の成長を保障するということこそが重要なのかもしれません。
文・写真:園長高根槙児(保育士、幼稚園教諭、社会福祉士、国際モンテッソーリ教育ディプロマ所有)